きょう。
昼過ぎ、イメイジフォーラムへ。
ぎりぎり最終日、ヘルツォーク祭へいってきました。
ヴェルナー・ヘルツォーク傑作選2011。
ライブへいったり、旅行へいっていたりで、いまいち祭に乗り切れなくって、もはや最終日。なんとか、ニッポン未公開なものと、フィッツカラルドだけでも。
平日の昼過ぎだし、そこそこ混んでるくらいにしかおもってなかったんだけれど、イメイジフォーラムについたら、ひとがたくさん。なんと立ち見。
でも、今回みられなかったなら、もう二度とみられないやもとおもい、入りました。
ざぶとんくばられていて、通路に敷いてと、立ち見は回避。
みたのは。
『My Son, My Son, What Have Ye Done』
2009年の。
邦題つけられないあたり、まともな公開なんてこの先もなさげな。
ドイツ映画祭でかなりまえにみた “The Wild Blue Yonder” も今回の特集でようやっとふたたび、というかんじだし。
これ、デヴィッド・リンチが製作、そしてウィレム・デフォーにクロエ・セヴィニーがでてるんです。なのに、まともに公開されてないのが、ふしぎ。おおよそ監督がヘルツォークだから、なんだろうけれど。
サンディエゴが舞台の実際に起こった事件をもとにしている、らしい。
住宅街の一軒で起こった殺人事件。刑事がかけつけて捜査をはじめると、すぐに容疑者が向かいに住む青年ブラッド・マッカラムで、現場についたときにはなしかけてきた男であるとわかり、被害者はそのブラッドの母親であると知らされる。
ふたりの人質をとってじぶんの家に立てこもるブラッド。なんとか説得をこころみようとするなか、婚約者のイングリッド、彼が所属していた劇団の演
出家リーなどが訪れて、彼が母殺しにいたるまでの変化、ペルーでの友人の死、神の啓示をうけたこと、出るはずの舞台が母殺しが題材なギリシア悲劇であった
ことなどがわかってゆく。
SWATがきて、たてこもり事件は進展するけれど、というはなし。
はなしだけだと、なんともまっとうなサスペンス、なんだけれどヘルツォークなんで、壊れてます、壊しています。
いつものように内容にふれないよう、綱渡りな感想を、とおもうけれども、公開されないやもなので、ちょっと踏み込んで。
事件が進展してゆくのと並行して、イングリッド、リーのはなしからそのときの情景がはさみこまれて、というつくり。はなしを追っていったら、やっぱりサスペンスな、なんだけれど、もう、ヘルツォークなかんじがたくさん。
ブラッドの、暴れるでもなく、しずかに、でも確実に壊れてゆくさまが、こわく、過剰で、もう滑稽である域にたっしていて。このあたりが、アメリカの都会を舞台にあちらで製作していても、ちゃんとヘルツォークなかんじ。
狂気が、演技ではないくらいに狂っていて、もう滑稽。
メガネを円形にならべて、その中心に裸電球をちかづけたりとおざけたり、その影に地球に天国を導く方法、をみてるらしいんだけれど、そのあと、その大切なメガネがはいったカバンを通りすがりのひとに、あげてしまいます。
で、イングリッドが「メガネがはいってるけど、あげてしまっていいの? 」ってきくんだけれど、「えっ、目なんて悪くないよ」と即答。こわくって笑ってしまいます。
ブラッド顔面アップなところがけっこうあって、バラエティ番組で芸人がヘルメットにつけて顔面が中心、まわりの風景がうごくみたいなかんじで、南米の町をさまよって。目がこわい。
さらに、そのまま、地元のひとたち、役者ではなく、ほんとにその場にいるひとの顔面をつぎつぎにとらえて。
イングリッドにまわりの家を買うといいながら道を歩いてるときもアップで、こわい。
そして、ペルーの山々バックなところは、こわいをとおりこして、ほんとうに神がみえてるのやも、とおもいます。
母親の顔面がこわいのね。
夫をはやくに亡くし、過剰な愛でブラッドを束縛していて、ノックもせずにイングリッドとふたりでいる部屋に、なんどもはいってきては、ひきつった笑いでたってるんだけれど、その顔面、長回し。ほんと、長回しで。笑いをこらえるのが必死です。
大量においしくなさげなゼリーを持ってあらわれたあと、母親、ブラッド、イングリッドが並ぶ姿、画面がとまったようにみせかけ、役者たちが固まってるだけで、というのが、また長回しで、なにこれ?
静止画像にみせかけて、じつは役者が、というところ、もうひとつあって、ブラッドとおじが、雪のなか、しようもない小咄をし、その小咄の中にでて
くる小人がうつってしまってるんだけれど、その3人ならんだところで、固まって。しかも、ゆるい。目線はきょろきょろ。しかも、そのまますこしカメラが近
づいてと、おかしな緊張感に、笑ってしまいます。しかも、このシーンって誰のはなしからみちびきだされたものでもないし。
こうであった、ああであったというイングリッドらのするはなしからすら、ブラッドは自由に動きます。
刑事とのやりとりも、滑稽で。
ガレージから放り出された缶詰のころがるのをカメラが執拗に追ったり。
牧師のテープが流れるラジカセを表にだいsたとおもったら、すごい勢いでひっこめたり。
ブラッドのほかの、全員の演技が演劇のようなかんじ。
ウィレム・デフォーははじめからおわりまで、まったく素人なひとが演技をしてるようなうさんくささをつらぬいていて。若手の刑事に、ドラマの見過ぎだと説教しておきながら、刑事ドラマそのままなかんじをつらぬきます、過剰に。刑事小咄だったり。
SWATのバンに、リーとイングリッドを連れてはいってコーヒーを差し出すところの、すいません、きがきかないで、とわざわざ断る、バカていねいさ。
さらに銃を構えてる警官に水差し入れとか。そんなん、描かないだろうとおもうようなところを、わざわざちゃんとで、なにこれ、っておもいます。
リー役がウド・キアー。トリアーのキングダムやら、90年代にちょこっとおこったドイツホラーブームのなかけっこうでていたり。いちおう、まともな役だけれども、ウド・キアーが画面にあらわれるだけで、もう笑ってしまいます。ひわいな顔面。
音のつくりがすばらしい。
南米な歌、軽いフォーク、そこに演劇のシーンであらわれるミニマルなチェロなどが重ねられたりしながらで、過剰な画面を、詩的なところにもってゆきます。そう、ヘルツォークは音楽がすばらしい。
缶詰、メガネの影、病院の安い枕に神の姿を発見したりと、無垢な狂気はまわりからみると、狂ったものでしかないけれど、それを中心にそえて、ギリ
シア悲劇もからめて、ペルーと都会をいったりきたり、象徴的な鳥たちが、ちりばめられて、神話を現代の街によみがえらせようというこころみ。それが滑稽な
姿になっていたとしても、完全な神話がかたちづくられています。そう、こわいし狂ってるんだけれど、過剰で笑ってしまう、というのが、ヘルツォークの好き
なところで、いまもむかしも、いろいろとかわったところはあるけれど、そこはかわらなくって、いっとう好きな監督のひとりなまま。
はじめは、狂ってるというかんじだったのに、いつのまにやらブラッドのことばや言動から、なにかしらを読み取ろうとしてしまうほどに、ひきこまれます。
そして、すべての場面がしずかに過剰で笑いっぱなしです。
もし、お近くでまた公開されたなら、ぜひ。
予告だと、アクションたっぷり、なかんじだけれど、一切ないです。ゆるいです。
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次の回がフィッツカラルドで、それもみるつもりだったけれど、ひとはおおいし、館内極寒だしで、こころが折れました。
帰って氷上旅日記を読み返してガマンすることに。
ここから、買い物。これら。
宮益坂をくだり、スペイン坂をのぼり、階段をくだって、本屋さん。
中村明日美子『ノケモノと花嫁』2巻を。
いつのまにやら、ちゃんと再開、うれしいけれど、おからだ心配なような。
それから、下北zawaへ、Warszawaさんへ。
LPを4枚。すべて女の子ヴォーカル。
Twin Sister “Vampires With Dreaming Kids”
Brute Heart “Lonely Hunter”
Madeline “Black Velvet”
Chelsea Wolfe “The Grime and The Grow”
くわしくはまたかくとして、すこしだけ。
Twin Sisterはまえに本人サイトでただ音源がでてたものだけれど、やっぱりもので。I Want A HouseとGinger、好き!
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再発だと、B面にAlternate Versionというふうになっていて、たとえばGingerだと、A面がうえ、B面は下、みたいな変化ではいっています。
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今週月曜。LP5枚はさすがに重い、これからは気をつけよう、と気をつけた結果が4枚。4枚でも重いです。そして、ノム トウォ。暑すぎます。
新大久保によろうかとおもったけれど、まっすぐ西荻窪へ戻り、セイ・ユーやらドラッグストアーによって、日用品に食べるためのものを買って帰ってきました、よ。
新大久保へゆかずにたえられたのは、きょう、韓国のお店に2枚注文したので、というのもあります。
いろいろみてたら、ミュージックコリアで会員になってEMSでおくってもらう、というのんが、おまけが豪華だし、実際に家につく日ははやいして、いっとうよいのでは、とおもいます、という情報はいらないですか?
注文したもののうち1枚はT-ara。予告でてました。やっぱり濃ゆくって好きです。ポスター付です、また。もう、壁に余白がないんで、天井ですね。
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そして、Kあたりなつづき。
きょうのf(x)
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そしてHot SummerのPVメイキング。
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ほんと、ここ数日、f(x)のことばかり。トウキョウ、ひどく暑かったんだけれど、手であおぎながら、おもわず踊りそうになってしまったりしてしまいます、よね?
きょうは。
映画に、音楽、マンガに、Kあたりにと充実したバランスのよい日。
あとわたしに足りないのは、恋人、くらい。でも、ほかのバランスをよくすればするほどに、恋愛から遠ざかってる気がします、が。