2014.11.07 Friday
Dirt on tape, October 2014
我らがカセットテープ神Brad RoseがFactで連載してるコラムCaught on Tapeなかんじで、というかパクリなタイトル。
10月のベストカセットテープを。
今月も、そんな買っていないとおもっていたら、32本。
そして、2014年の目標だった、1日1本ペースで、合計365本、到達してしまいました。じぶんでおもっていたよりも、調子がはやく、カセットテープ暦ならもう2015年のお正月もすぎてしまい。
どんだけぼんやりしてても、ことしは400いくとおもいます。
数ではない、んだけれど。そして、変なところを選んで買い気味だけれど、これだけ追ってると、Brad Rose総帥のんをみててもそんなに外さないなというかんじになってきたし、これだけきいてるとみえてくる風景みたいなんもあります。
それは、貧困。
いいかげん、まともなペースに戻りたい、わ。
ことしはなぜか偶数月がよいのんおおく、10月も。選ぶのんがたいへん。
選んだもののほかのこと、ちょこっと。
“DARK WEB” をだしたところなのに、すかさずカセットテープもだしたGiant Clawはやっぱりすごいな。かなり多方面で評価されてて (Arca発売で若干誰もいわなくなったけれど)、ひねくれてるわたしはきょねんのOPNみたいに絶対に年末なリストにはいれないといってしまいそうだけれど、Gian Clawは素直にいれたい。これからもおかしなことしてくれそうだし。
ニューエイジ、アンビエント系ではデンマークのPHINERYっていうところのMOCとOpalineを買ってみたなら、よかったよね。Panabrite系シンセを奏でながらもノイズにビートに加えてきたりと、自由で。でも、いまのところはDemonstration Synthesisまではいかないかな。
Beer On The Rugは安定のすばらしい人選だし、Ascetic Houseはもうちょっとちゃんと追おう。しらなすぎて、バンドものを引いたら、困るので躊躇してしまいがちだけれど、いまならバンドものもゆける気がする。
Panabriteは安定のすばらしさ。でも、今月はレコードがあったので。
German Armyのんがまたきてる。10月にはまた3本くらいだしてる。ことしいっとう出し過ぎなのはHobo de Galloさまではなく、GAやも。
G.S. Sultanは先月のLXV系でよいような違いがいまいちなような。
Sasacは夏にきいておくべきだった。
それでは、ベスト7本。
Beatrice Dillon
“Blues Dances”
(Where To Now?)
アートワークもすばらしいUKなWTN? から。ここはほんとよい。京都のひととはなしてたんだけれど、いまいち人気ないみたい。
ここから、初な女子です。調べたら、クラシカル方面でも活動してるみたいな。
でも、ここではダブ地下テクノ。
サンプリングに、ノイズをまとったシンセ、ビートもしっかりといれてきながら、B面の引き算展開、そして最後のピアノまではいってくるあたり、いまなかんじの音をしっかり網羅しながらも、独特な間合いというか展開。
Karen Gwyerといいこのひとといい、この周辺のセンスのよさ、すばらしい。
そしてJカードはことしベスト入り。
メガネで陽気そうな年齢不詳感。
けっこうおなじ捉え方していたAstro:Dynamicsがまったくつまんない方向進んでるけれど、こちらは間違っていない。
Columba Fasciata
“Enemy Eater”
(Lillerne Tapes)
検索してもハトばかりでてきて、いまいちどんなひとたちかわからない。
1stプレスが即売り切れて、2ndプレスでなんとか。
ゆるくつぶれたドラムマシーンの音と、暗闇をギターの爪弾きが切なく、ときにゆるくはいまわって、ときおりシンセが強く主張しだしてと、音もうっすらEBM感、黒いかんじがありながら、そこにすばらしい女子ヴォーカル。艶とはかなさいちどきな。
B面のシンセがまえにでてきたあたりから、最後淡く暗いギターとヴォーカルな展開がものすごくよい。
けっこうローファイではあるけれど、どこかしらレコードな流れになっても、雰囲気でゆける気がする。今後、たのしみです。
Control Unit
“Burn”
(Fort Evil Fruit)
イタリアのSilvia KastelとNinni Morgiaデュオ。
これまで、Clan DestineやらBackwards、Alt.Vinylからだしてたりなんだけれど、今回はアイルランドのここから。
ことしのBackwardsからな7インチ “Bloody Language” で、これは火がつくやも、とすこしおもったけれど、やっぱりつきませんでした。Control Unit好き、っていってるのん、まわりでいまのところ仲さんしかいないので、絶対にそのうちきます。いや、こないままやもしれません。
7インチが代表曲くらいにポップになっていたんだけれど、このカセットテープもその路線。
Ninniさんのぎゅるぎゅるなノイズにぺきぺきな爪弾きエクスペリメンタルなギター、そしてヴォーカルとシンセのSilviaちゃん。マイクくわえる勢いなんだけれど、というかきょねんまではくわえてしまってたんだけれど、ことしはぎりぎりくわえずにうたったり叫んだり。表情がころころのたうちまわるギターの横で、インダストリアル感あるシンセにドラムマシーン鳴らしながら、うすく靄をまとった歌と叫び。
Thurston Mooreや、Ashley PaulとEli Keszlerコンビとライブやってたりなんで、やっぱりエクスペリメンタルなくくりからは逃れられないけれども、ことしのはほんとインディー方面な方もゆけるはず。ちょうどよいところなバランス。
タイトル曲の中盤からな展開がとても好きだし、B面の明るく光りの射すドローン展開もすばらしい。
ニッポンではきれいな子はアイドルか女子アナになろうとするけれど、海外ではおかしなことしたがる、っていうよい例。
Good Area
“Pronunclation”
(Hanson Records)
Kyeからリリースしていたりな、見た目、音ともに微妙な二人組。
サンプリング、なんかではなくうしろで流してるだろうラジオかテレヴィジョンかテープ音声と、よたよたギターにへろへろブラス、そこにテープの無理からにこすれるノイズが、ゆるゆるとたたみかけてきます。
B面が話し声音声の交錯で、なにやってるのか一切わかんない。
よいな。
男のほう(おっさんだとおもってたら意外と若そう?)のソロはどうなんだろう、気になってる。
Hiro Kone
“Fallen Angels”
(Geographic North)
ニューヨークのNicky Mao。これで知りました。
1曲目のノイズとビートをまとったかんじから、唐突に琴っぽい音の挿入、2曲目の立体感、そしてドローンからビートへの移り変わりだとか、B面最後はニューエイジだったりとか。
でも、すべての曲に近未来ネオンまたたく立体街並のなか深夜ドライブ感があるし、ノイズもさわさわと沸騰してるし、唐突にはいってくるメロディのようなものもよかったり。
うえのほう、Beatrice Dillonもそうだけれど、女子シンセなひとって、いろいろと取り入れながらも、それぞれ展開が自由というか、そのひとの個性がかなりでるのんがおおくって、きいててたのしい。
MSOTTが正しく進化したかんじもあったり。すばらしいです。
Jカードも、表の文字デザインに、裏側の花柄と、うつくしい。
ここのん、もうちょっときいてみたい。
PHORK
“Psychic Biomes”
(Dirty Pillows)
カセットストアーデイ、おもいきりバカにしていたんだけれど、すいませんでした。その関連リリースなうちで買った唯一な1本。これでただけでも、ことしもその日があったこと、よいんではとおもいました。でも、リリース日があわない。
DARK WEBに並ぶ出来なNNA TapesからなPHORKの “High End” 、立体ミニマル感すさまじかったんだけれど、今作はなにかしらかな歌声曲サンプリングも増えてるし、しっかり引き算テクノもあったり、きょねんまでなノイズまじりのおかしな展開もあったりと、もうちょっと引き上げられてもよいはず。
Dirtyってはいってるだけで、親近感。
Vapor Gourds
“Low-Jack Miniatures”
(New Camp Records)
なまえから、おととしはやったVaporwave系かとおもいきや、おもいっきりヘンです。で、検索したらGiant Clawの1stレコードのんにジャケットが似てるなぁ、とおもったまま逃してるひと。
ことしきいたカセットテープをすべて細切れにしてミックスしてしまったくらいの飛び散りかげん。
奇怪シンセの飛び交いに、細切れサンプリングにビートの反復、なまえな通りのスクリュー感もあったり、かとおもえば立体感だしてみたりと、終始ヘンです。たまらない。
買ったもの
V.A. “Life Between Screens - Curated By Manni Dee” (WotNot)
Columba Fasciata “Enemy Eater” (Lillerne Tapes)
Endo Kame “Blue Dream” (Lillerne Tapes)
Good Area “Pronunclation” (Hanson Records)
Opaline “Projector Mapping” (PHINERY)
MOC “Shine” (PHINERY)
Space Afrika “Above the Concrete Below the Concrete” (Where To Now?)
Beatrice Dillon “Blues Dances” (Where To Now?)
LOOKS REALISTIC “VA-A” (Beer vOn The Rug)
Giant Claw “22M Never Felt So Alone” (Suite 309)
Hiro Kone “Fallen Angels” (Geographic North)
Rachel Thomasin “Outlines” (Otherworldly Mystics)
AyGeeTee “Eternity's Conceit” (RECKNO)
Isengrind “Underflesh” (Was Ist Das?)
Sunroom / Deep Catalogue “s/t / Hesperides” (Cosmic Wintou) “” ()
Glass House “Haruspex” (Cosmic Wintou)
Panabrite Wasteland Cycle (Cosmic Wintou)
Aloonaluna / Ant'lrd Sacred Phrases “split” (Scred Phrases)
Derek Rogers “Visual Echoes” (Umor Rex)
G.S. Sultan “AG_Greatesthit” (Umor Rex)
PHORK “Psychic Biomes” (Dirty Pillows)
Vapor Gourds “Low-Jack Miniatures” (New Camp Records)
Sasac “Hyperion” (Omega Supreme)
Yves Malone “Ebony Sunrise” (Orange Milk)
Durt PD / Larry Wish / Elegance / CH Rom “Orange Milk Split Series Vol. 1” (Orange Milk)
death's dynamic shroud.wmv “世界大戦OLYMPICS” (Orange Milk)
Avellan Cross “TECHNOISE [MTN K7]” (Nostilevo)
German Army “Cargo Circuits” (A.C.T.I.O.N)
die Reihe “Ascetic House” (Ascetic House)
Control Unit “Burn” (Fort Evil Fruit)
Amanda Feery “Spells from the Ice Age” (Fort Evil Fruit)
いただきもの
Straytone + Takashi Masubuchi “Die Dinge” (Obscure Sounds Research)